【文例あり】遺留分侵害額請求の内容証明書の書き方
被相続人が相続人の1人に全財産を遺贈する遺言を残すなど、偏った遺言により、法定相続人が法定相続分の通りに相続できないケースでは、一定の法定相続人に遺留分侵害額請求という権利が認められています。
今回は、遺留分侵害額請求の内容証明書の書き方について解説していきたいと思います。
遺留分侵害額請求ができる人
遺留分とは兄弟姉妹以外に最低限保障された遺産取得分のことをいいます。
遺留分侵害額請求権を持つのは、被相続人の配偶者や、子ども、親などです。
被相続人の兄弟姉妹には遺留分はありません。
内容証明郵便で送る必要性
遺留分侵害額請求の方式に決まりはありません。
そのため、相手に遺留分を請求する意思が伝われば書面でも口頭でも問題はありません。
ただし、口頭の場合「相手に自分の意思を伝えた」という証拠がなく水掛け論に発展する可能性があるので、注意が必要です。
また、遺留分侵害額請求権は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと時効になります。
相続開始の時から10年間行使しないときは、期間の経過によって権利が消滅しますので、注意が必要です。
期限内に請求権を行使したという証拠をしっかり残しておくためにも、遺留分侵害額請求は書面で、配達証明付きの内容証明郵便などで行ったほうが良いでしょう。
内容証明書に記載すべき内容
遺留分侵害額請求書では、一般的に以下の文言を内容証明書に記載することになります。
- 相続開始日(死亡日)や被相続人の氏名
- 遺留分侵害額請求をする人と被相続人の関係(子、配偶者、親)
- 遺留分を侵害した遺贈、生前贈与の特定
また、遺留分侵害額請求権を行使する旨を明確に記載しなければなりません。
具体的には以下のような文言を記載することになります。
■文例
通知書(タイトルは単に通知書でも遺留分侵害額請求書などでもよい)
被相続人〇〇〇〇の公正証書遺言
(〇〇法務局所属 公証人 〇〇〇〇作成 令和〇〇年第〇〇〇号)
の遺言内容は私の遺留分を侵害しております。
よって、私は、貴殿に対し、遺留分侵害額の請求をします。
まとめ
今回は、遺留分侵害額請求の内容証明書の書き方について確認していきました。
内容証明書の記載にあたっては、正確な相続人調査や、請求の相手先の確定などが必要となります。
遺留分侵害額請求の行使を検討している場合には、専門的な知識をもつ弁護士に相談することを検討してみてください。
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