公正証書遺言の内容に納得いかない場合にすべきこととは
公正証書遺言は、公証人が関与して作成されるため形式上の不備はほとんどなく、一般的には信頼性の高い遺言書とされています。
しかし相続が始まった後、「公正証書遺言の内容にどうしても納得できない」と感じる方は少なくありません。
今回は、公正証書遺言の内容に不満を感じたときに確認すべきポイントと、実際に取るべき対応手順を解説いたします。
公正証書遺言の内容に納得いかない場合にすべきこと
公正証書遺言の内容に納得いかない場合は、以下の対処法を検討してください。
- 遺言の無効を主張する
- 全員の合意で遺言と違う分け方をする
- 遺留分侵害額請求で最低限を確保する
それぞれ確認していきましょう。
遺言の無効を主張する
公正証書遺言の内容に納得いかない場合は、遺言が無効にならないか考えてみましょう。
無効の主張が適しているのは、以下のようなケースです。
- 作成当時の意思能力に強い疑問がある
- 証人の資格に欠格がある・公証手続に重要な欠陥が疑われる
- 遺言内容が本人の真意と食い違っていると考えられる
遺言の無効を主張する場合、最初に医療記録や介護記録、面会メモや当日の同席者のメモ・メール、筆跡や署名の変化、公証人の聴取メモの有無などを集め、証人2名の資格も確認します。
次に、相続人や受遺者に対して任意の再配分を提案し、難しければ家庭裁判所に調停を申し立ててください。
それでも決着しない場合は訴訟を提起します。
全員の合意で遺言と違う分け方をする
法的には遺言が有効に見えても、相続人間で合意できるなら、遺言と異なる遺産分割を行う方法が現実的です。
以下の条件が前提となります。
- 遺言に遺産分割協議の禁止条項がない
- 遺言執行者が指定されている場合はその同意を得る
- 合意内容を遺産分割協議書に明記する
- 預金の払戻し・不動産登記・税務申告と整合を取る
合意後は受領者からの持戻しで精算し、使い込みが疑われるときは損害賠償の検討も視野に入れます。
遺留分侵害額請求で最低限を確保する
法定相続人の取り分が明らかに少ない場合や、無効の主張を通しにくいと考えられる場合などは、遺留分侵害額請求を活用する方法があります。
重要なのは時効の管理であり、相続開始と侵害を知ったときから1年、また相続開始から10年で権利が消滅します。
口頭でも権利行使は可能ですが、請求の意思表示を明確化するために、配達証明付きの内容証明郵便で相手方へ通知してください。
まとめ
公正証書遺言は形式的に信頼性の高い遺言書ですが、内容や手続きの妥当性に疑問がある場合には、相続人側から見直しを求める道も用意されています。
いずれの方法を選ぶにしても、感情的な対立に発展しやすいなど、トラブルのリスクがある点には注意が必要です。
不安がある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
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